こんにちは、島原市地域おこし協力隊のたぐちです。
▼最近のトピックス
雲仙ハムが旨いことはわかった。けど「島原ハム」も美味しくない?
4月某日、日本でも珍しい「スクイ」の補修作業に参加しました。これがなんというか……童心に戻ったように楽しかったわけでして……✨
伝統漁法『スクイ』とは?
みなさん、「スクイ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
「スクイ」ってなに?
縄文・弥生時代の大昔から行われていた漁法。海岸線に孤を描くように石を積み上げている。満潮時にスクイの内側に集まり取り残された魚介類を、干潮時に捕獲する仕掛け。スキ、石干見(いしひび)とも呼ばれる。
干満差・日本一と呼ばれる有明海に適した漁法。かつては島原半島に200基以上あったそうですが、漁船の台頭により激減したそうです。
ここ「長浜のスクイ」は2008年に「みんなでスクイを造ろう会」と行政のチカラによって復活したレアな代物なんです。
長崎市民だった僕は「スクイ」の存在を初めて知りました…🤔
すくいまつり2021は中止に
そんな全国的にも珍しい「スクイ」。
島原市では年に一回、長浜にて「スクイまつり」なるものが開催されています。スクイの内側に放流した魚を手づかみで捕まえるイベントで、過去には約700人の来場もあったそう😯
2020年に引き続き、2021年のスクイまつりはコロナウイルスの影響により無念の中止。来年は3回分のスクイまつりを楽しむことにしましょうッ……!
※2022/5/16追記
スクイまつり2022は無事開催されました😌
当日の様子は「ちょいそと」の記事でご覧ください!
▶ちょいそと(外部ページ):【3年ぶり】島原市で「スクイまつり2022」が開催されました!
草を刈っていくッッッ!
そんなこんなで2021年4月某日、「みんなでスクイを造ろう会」が行っている草刈り&スクイの補修活動に参加させていただきました!!!
本来はスクイまつり直前の整備。まつりは中止になったとは言え、定期的なメンテナンスは大事です。
というわけで、まずは駐車場の草刈りからスタート。
草刈りアベンジャーズの方々↓。音速で草を刈っていきます。
珍しい植物たちも
そんな草刈りの最中、みんなでスクイを造ろう会・事務局長のウチダさんが周辺の植物を紹介してくださいました。
海岸に生きる塩生植物「ハマボウ」(写真奥の細い枝の木)↓。夏になると黄色い花を咲かせるそうです。
ちなみにハマボウの花言葉=「楽しい思い出」らしい。夏に咲くハマボウの花を探しながら思い出づくり……なんてのもステキ。
他にも、潮に浸かっても生きることができる「ハマサジ」という植物も自生しているそう。散策しながら周辺の浜を歩くのもオモシロイかも?
スクイ内の生物にテンションあげあげ
午後からは、潮の流れで崩れた石を持ち上げ、積み上げていく作業。シンプルな力仕事です。
運動不足の僕は、この作業で腕が逝きました。いや、マジでヤバいからこれ。
力自慢の猛者たちは、テキパキと石を積み上げていきます。
まさに男が惚れる漢たちやで。
マダコ登場で現場騒然
そんな作業中。
「あ!タコのおるぞ!!!」
という声が響き渡ります。
漢たちが集まってみると、「うにょ〜〜〜」とマダコさま降臨。
この一大イベントに屈強な男たちが一転、子供のようなテンションに……😯
やっぱり元・男の子たるもの、海遊びはいくつになっても楽しめますね〜〜〜。スクイの中は生物の宝庫なので、親子で浜遊びしてみると楽しいかも?意外とお父さんのほうがテンション上がったり……🤔
ちなみに、このあとマダコはもう1匹みつかりました。「宝の海」と呼ばれる有明海、その名は伊達じゃない。
「海そうめん」=ウミウシの卵
お次に見つかったのが、「海そうめん」。
ウミウシ(正確にはアメフラシ?)の卵みたいですが、いや、、、まんま生ラーメンやん。
スーパーの麺コーナーにあったとしても違和感ないレベル。
近くには親らしき方も!
なぜ麺のような卵を生むのかは謎ですが、まじまじと観察してみるとオモシロイですね〜〜〜。
酒好きには堪らない「ニシ貝」
お次に見つかったのがニシ貝さん。石に張りついていたところをお縄。
茹でて食べると、お酒のオツマミに最高。僕も食べたことがありますが、貝の味が濃くて好きです。個人的には「貝好きのための貝」という印象。
スクイの魅力
こんなふうに、スクイの中の生き物とふれあいつつ作業終了しました。
石積みに貝や甲殻類が集まる
↓
それを食べに小魚やタコが集まる
↓
それを食べに大型魚が集まる
といったように、「有明海ならでは」の生態系を感じることができるのもスクイの楽しみ方かな〜、と思っています。
家族連れはもちろん、たまには童心に帰りたいお父さんにもオススメでございます。
生物の宝庫「スクイ」を体感してほしい
今年はコロナウイルスの関係もあるので「来てください」と声を大にして言えないのですが、島原にお越しの際はぜひ「長浜のスクイ」を少しでもご覧になってください。
島原中心部からも近くてアクセスも良好、晴れた日は有明海を眺めるだけでも気持ちいいですよ♪
来年のスクイまつりに期待しましょう!
お願い
スクイの中には生き物の産卵の場となる『アマモ』を囲っているエリアがあります。
大切に育てている海草ですので、中には入らないようお願いいたします(._.)