【島原人ずかん:『本多木蝋』ご夫妻】和ろうそくだけじゃないハゼのトリセツ

島原市出身の「しまばら原住民」にインタビューする企画「島原人ずかん」。

たぐち

島原ってヘンな人多いな〜(いい意味で)

と思っている長崎市出身の筆者が、島原出身の方へプライベートなことからちょっとマジメなことまで遠慮なし!にお話を聞く企画です。

今回は島原で伝統的な・ハゼの木蝋(もくろう)を作り続ける本多木蝋さんで「和ろうそくの絵付け体験」をしながら、おしゃべりインタビュー。

「伝統産業」と聞くと硬そうな印象を持ちがち。しかし実際にお話を聞いてみると、今までとは違った櫨(はぜ)の魅力を知ることができました😀

まるで生き物のようにゆらぐ「和ろうそく」の火
ご主人・本多俊一さん

▶好きな芸能人:大原麗子
▶趣味:昔は剣道、現在は木蝋作り
▶座右の銘:出会い、語り合い、高め合い

奥様・美佐さん

▶好きな芸能人:佐藤健、歌は菅田将暉
▶趣味:家具と陶器を見ること
▶座右の銘:感謝の心

「本多木蝋工業所(ほんだもくろうこうぎょうしょ)」って?

日本の伝統的な灯火「和ろうそく」のもとになる木蝋を作る製蝋所さん。和ろうそく最大の特徴は、炎が独特の「ゆらめき」を見せること。さらに、石油系ろうそくに比べるとニオイが少ないのも特徴。

日本で唯一「玉締め式圧搾機」で化学薬品を一切使わずに櫨(はぜ)の実を絞っている。

まずは和ろうそくを体感!

せっかくなので、筆者の母&叔母を連れ、和ろうそく作り・絵付け体験をしてみることに。

お手軽な和ろうそく作り

まずは、ご主人の俊一さんが和ろうそくの歴史や特徴などを説明してくださいました。

江戸の夜を照らしていた木蝋の灯り。今は製造業者も少なくなってしまいましたが、だからこそ本多木蝋さんの存在の貴重さが理解できます。

ちなみにご主人いわく、

ご主人・俊一さん

私は、髪の毛が半分無くて寒いから「ハンサム」です。

とのこと。

序盤の掴みは、綾小路きみまろ級。

説明を受けるサチコ(叔母・左)&アキヨ(母・右)

その後、実際に和ろうそく作りへ。

詳しい行程は割愛しますが、メチャクチャ簡単ですのでお子さん〜年配の方までお手軽にチャレンジできると思います。

型に蝋を流し込み、固まるのを待つだけ。

型に蝋を流し込んで待つ

生き物のように動く炎。これを見ながらウイスキーでも飲めるようになったら、僕も「真の大人」になったと思っていいでしょうか……🤔

和ろうそく最大の特徴である「ゆらめき」。この体験を受けることで、なぜ炎が「ゆらぐ」のか理由がよ〜くわかります😯

↓が完成品。僕が作ったもの(写真右)は押しが足らず、バリが出てしまいました……。しかし、これはこれで味があって良い!……ということにしておきます。

色合いも味があってステキ!

ココロオドル「絵付け体験」

そしてそして、お次は有吉弘行氏も正直さんぽで体験した「絵付け」に、アキヨ&サチコが挑みます。

ここから奥様にバトンタッチ。

世界で唯一、オリジナルイラストのろうそくを作っていくッッ!

奥様がわかりやすく説明してくれる

最も時間が掛かるのが、「何を描くか?」を決めるところ。

そんな優柔不断のアナタ、心配ご無用。誰でも決めやすいように、「誕生花」のイラストを準備してくれています。

最初の一筆は緊張しますが、その後はスピードアップ!

母の誕生花「茶の花」の花言葉=「純愛、追憶」らしい。……なんかやだ。

↓完成品。赤と黄色の下地に花が映えていい感じですなぁ。

画伯お二人の逸品。ステキ。

ちなみにこの絵付け体験、どんなに絵心がなくてもOK。もはや何を書いても「っぽく」なります。

それと、めっちゃ奥さんが「いいですね〜」と褒めてくださるのもポイント。美術センス≒ゼロのたぐち一族でも、なんとなく上手く書けた気がするから不思議……。

ちょっとプライベートな話題に

そんな伝統産業を守り続ける本多ご夫妻。その私生活についてお話を聞いてみることにしましょう!

本多ご夫妻の出会い

たぐち

プライベートな質問でアレなんですが……。

ご夫妻の出会いについて知りたいです!

美佐さん

出会い?そーねぇ……。最初の出会いは二十代前半のときやったね。

主人は島原、私は南島原(深江)の出身で。

お互いに学校の教員だったから、その集まりでお互いに面識はあったとよ。

たぐち

教員同士の恋……。なにその燃えるシチュエーション(しみじみ)。

じゃあ、かなり早めのフォーリンラブだったわけですね。

美佐さん

いや、その当時では付き合うところまでは……(笑)

主人が同級生と話してるのを見ながら、それを眺めてるかんじで。

その後、私が五島に赴任することになってね。そこで後から主人が転勤で追っかけてきてバッタリ。

たぐち

くぁ〜、運命的。

美佐さん

そこで引っ掛けられてね(笑)

アツアツのお二人。リアルにうらやましい。
たぐち

なんか自然な出会いからの結婚ってかんじでステキ。

五島でご結婚まで?

美佐さん

そうよ。

同じ教員同士、意気投合したかんじで……(笑)

その後、主人が長男ってこともあって島原に戻ってきてね。

教員として働くかたわら、本多木蝋の手伝いをするかんじ。主人が定年退職してから、本格的に木蝋づくりに注力し始めて今に至ります。

本多一家がハイスペックすぎる件

たぐち

お子さんは何人いらっしゃるんですか?

美佐さん

全部で4人。

上3人が男の子(薬剤師・教員・お医者さん)、末っ子が女の子(ITエンジニア)よ。

全員、島原市外に住んでるけどね。

たぐち

全員ハイスペックww

ちょっと自分が恥ずかしくなってきました。

本多木蝋の跡継ぎもご子息が?

美佐さん

う〜ん。今はなんとも言えんね(笑)

あくまで私の考えですけど、やっぱりこの仕事に対して情熱を持ったヒトに継いでもらいたいかな。

たぐち

「櫨と木蝋を愛する人材」……🤔

誰か適任となる方が現れるといいですね。

櫨(ハゼ)の可能性

最後に、今後の本多木蝋についてご主人の俊一さんにお話を聞きました。

和ろうそくの原料となる『昭和福ハゼ』の実
ハゼの木。別の場所から移植できるほどの生命力を持つ。
たぐち

最後はちょっとマジメなお話を。

今後の「本多木蝋」が目指すことを教えてください。

俊一さん

これから訴えていきたいのは、ハゼ=「和ろうそく」だけじゃない!ということです。

今はとにかくアイデアが欲しいんです。

たぐち

和ろうそく以外……🤔

なにか別のハゼの有効活用法を考えているんですか?

俊一さん

たとえばこれ。

ハゼの木を「木材」として利用したものです。

ハゼの木から作られた燭台。「櫨道楽会」メンバー作の商品。
ハゼ木ケース(協力隊として活躍中の綾部さんの作品)
たぐち

木材としての利用を?

俊一さん

そう。木の模様が独特でキレイでしょ?

木の芯は黄色を帯びる
俊一さん

このハゼ独特の色味を使って、染め物を作ることもできます。かつて天皇に献上したほど上品な色合いに仕上がるんですよ。

たぐち

こんな特徴的な色味を持っている木材は見たことないですね。

模様を活かしてDIYすると楽しそう。

俊一さん

あとは「実の絞りカス」も燃料として使えるんですよ。

実を絞ったカス
たぐち

木、実、そしてその絞りカスまで使える。めっちゃエコですね。

俊一さん

着火しにくさが難点ですけど、一度火が付けば炭のようにも使える。キャンプにも便利ですよ。

たぐち

本当にいろんな使い方がありますね。

俊一さん

その他にも、ハゼは化粧品の原料としても使えます。

あとはハゼの色んな魅力を、もっと多くの方に知ってもらえればと思っています。

たぐち

さらなる「ハゼ」の進化、楽しみにしてます!

絵付け体験も満喫し、楽しいひとときを過ごすことができました😌

そして、これからいかにしてハゼの魅力を伝えていくのか。

全国に3軒しかない櫨蝋の「製蝋所」として有名ですが、それだけではない可能性を確かに感じることができました。

今後の本多木蝋さんに要注目です!

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