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皆さんは「春の食材」と聞くとどんなものを思い浮かべるでしょうか?
野菜に果物に魚・・・いろいろ思いつきますが、島原の海ではわかめの水揚げが盛期を迎えています。
島原市は長崎県内有数のわかめの産地。※全国的にみても長崎県は養殖わかめ生産量が上位にランクインしています(とはいえ三陸産が圧倒的に多い)
今回は島原の春を彩るわかめづくりの現場に潜入してみました!
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島原市、吉田さんの「塩蔵わかめづくり」に密着!
お邪魔したのは島原市でわかめの養殖をされている吉田訓啓さんの工場。
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島原の海でわかめを育てて約40年。まさにベテランの漁師さんです。
「塩蔵わかめづくり」の現場を見ていきましょう!
1. 収穫後、不要な部位をカット
わかめは早朝に収穫。
工場に運ばれたのち、潟やゴミがたくさんついている部位&茎のかたい部位をカットします。
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2. 茹で・冷却・洗い
続いて、茹で・冷却・洗いの工程。
海中のわかめは小エビなどの隠れ家となっているので、水揚げ後もそれらが付着しています。しっかりと落とす意味でも、念入りに洗う必要があるそうです。
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豆知識ですが・・・収穫したてのわかめが「茶色」なのに対して、茹でたわかめは「緑色」に変化します。
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3. 塩をまぶし、「二度」絞る
お次はいよいよ塩をまぶす工程へ!
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塩がわかめに満遍なく馴染んだら、圧力をかける装置(下の写真)に入れます。
万力の要領で上から圧力をかけ、わかめの水分をじっくり抜いていきます。
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吉田さんの塩蔵わかめづくり最大の特徴は、この絞り工程が「二回」あること。
つまり、
- 塩をまぶす
- 圧力をかけて絞る
という工程を二回繰り返します。
しっかりと水分が抜けるので、より雑味が少なくて日持ちする塩蔵わかめができるそうです。
ビフォーアフターを比べてみると、水分が抜けているのがよくわかります。
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右・・・二回絞った後のわかめ(出荷前の状態)
ビールは一番しぼりがウマいですが、わかめは二番しぼりがウマい・・・のかも?
4. 袋詰、出荷
二回絞ったわかめはひとつひとつ手作業で袋詰めされます。
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こうした手間暇をかけ、島原特産の塩蔵わかめは出荷されるんですね~。
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島原産と他産地わかめを食べ比べ!
やはり気になるのは「味」の違いですよね。
島原産(吉田さんのわかめ)とスーパーで売っている他産地のわかめを食べ比べてみました!
※水での塩抜き時間は3~5分くらいです
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壱岐産・三陸産(宮城産)と比較
食べ比べてみた感想をまとめてみました👇
①島原産・・・バランスの取れた風味で比較的やわらかめの歯ごたえ
②壱岐産・・・「磯っぽさ」が強めで野性味を感じる
③三陸産・・・風味豊かで歯ごたえがしっかりしている
※あくまで個人の感想です!
一言で表すと、島原のわかめは「清楚な味わい」でした。他産地のわかめと比べて葉が薄めなようで、しゃぶしゃぶなどにも適しているそうです。
ちなみに・・・塩抜きの仕方でも味わいや食感が変化するようです。産地によってそれぞれ特徴がはっきりしていて面白かったです~👍
「どれが一番!」というのは個人の好みによるので一概に言いにくいですが……、島原のわかめは一度食べてみていただきたい優等生な味わいだと思いますよ~。
島原が「わかめ養殖に適した理由」とは?
冒頭に書いた通り、島原市は長崎県内有数のわかめの産地。なぜ島原沖(有明海)はわかめづくりに向いているのでしょうか?
その理由を、島原の漁業に詳しい島原市耕地水産科の前田くんに聞いてみました!
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【前田くんプロフィール】
島原の海を駆け回るナイスガイ。
ガチの釣りキチ。
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理由1:栄養塩(エサ)が豊富だから
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まず理由のひとつめですが、有明海にはわかめのエサとなる窒素やリンなどの栄養塩が豊富だからです。
有明海には豊富な河川流入があり、栄養塩が供給されているので、わかめや海苔などの海藻類の養殖に適しています。
理由2:流速の速さ
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有明海の干満差は日本一。
流速が速く、豊富な栄養塩をわかめがグングン取り込みます!
理由3:時化に強い
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有明海は内海で、比較的波が立ちにくいのが特徴です。仮に海が時化たとしても最小限の被害で済みます。
・・・といったかんじで、いろんな理由から島原沖はわかめづくりに適していて、長崎県内ではトップクラスの水揚げを誇っているんです!
ほうほう、なるほど。
わかめを養殖するうえで有明海はちゃんと理にかなった場所なんですね~!
わかめも生き物。育つ場所によって味わいや食感が変わるのも納得です。
他産地のものと食べ比べてみるのも、面白いかもしれませんね😌
吉田さんのわかめのご注文方法
今回取材にご協力いただいた吉田さんの商品はこちら👇
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ご注文はTELまたはFAXでお願いします。
0957-63-2585
※FAXのほうが確実に注文可能とのこと