「まぼろしのお茶」と呼ばれる島原茶。
今回は、作り手の一人である阿部さんのお話を聞きながら、島原茶がまぼろしとされる理由に迫ります。
- 島原茶の希少性
- 衝撃の旨み
- ポン酢でお茶を食べる……?
実際に島原茶を飲んで見えてきた、「お茶の新世界」についてお伝えできればと思います。
▼阿部さんはこちらの記事で紹介してます〜😌
お茶全体のたった3%「蒸し製玉緑茶」
普段何気なく飲んでいるお茶。
一口に「お茶」とは言うものの、実は色んな種類に分けられることはご存知でしょうか?
- 煎茶
- ほうじ茶
- 抹茶
聞き馴染みがあるのはこのあたりだと思いますが、島原茶は「蒸し製玉緑茶(むしせいたまりょくちゃ)」という種類に分類されます。
蒸し製玉緑茶は別名「グリ茶」と呼ばれ、その名の通り「グリッとした、まが玉のような形状」が特徴。
蒸し製玉緑茶の生産量はお茶全体の約3%ほどしかなく、島原茶が「まぼろし」と呼ばれる理由の1つでもあるそうです。
現在は大量生産ができる「煎茶(通称:ノビ茶)」が国内シェアのほとんどを占めており、玉緑茶はとても珍しいお茶なんです。
🍵島原茶の伝道師:阿部さんのお茶講座🍵
▶玉緑茶
葉が丸まっているので、茶葉が「開く」過程でゆっくりと味が出るのが特徴です。1〜3煎目まで味の違いを楽しむことができるので、ゆったりとした時間を過ごすのにオススメなお茶です。
▶煎茶
仕上げの工程で茶葉を揉み、まっすぐに整形したお茶です。お湯を注ぐとすぐに味が出るのが特徴で、しっかりとしたお茶の味を楽しむことができます。
島原茶が「まぼろし」たる所以
お茶の種類としてもかなり珍しい島原茶。
しかし、実は他にも「まぼろし」とされる理由があるんです。
火砕流による茶畑焼失
雲仙普賢岳の噴火災害が茶畑にもたらした被害は甚大でした。
かつては普賢岳の麓に位置する千本木地区に茶畑が広がっていたのですが、普賢岳の火砕流によりそのすべてが焼失してしまったのです。
しかし、噴火の影響を受けながらも別場所で何とか生き残った茶畑をもとに復活。コツコツとお茶を作り続けたそうです。
それから今日に至るまで、島原の地で茶畑を守り続けてきた人々。
まさに「作り手の執念と情熱」があったからこそ、今日の島原茶が存在しているんですね🤔
手間がかかる「有機無農薬栽培」
さらに、島原茶は有機無農薬で栽培されています。
国内で農薬不使用のお茶はかなり貴重で、長崎・佐賀の蒸し製玉緑茶のなかで有機JAS認定を受けているものは数件しかないそうです。
農薬不使用=人の手で雑草をひとつひとつ抜く必要がある、ということ。とんでもない量の労力が必要になります。
「まぼろしのお茶」たる理由はいくつもあるんですね。
ドラマチックすぎるお茶
あらためて島原茶のスゴイところをまとめると、
・未曾有の噴火災害を経験しながら、
・希少な「蒸し製玉緑茶」を製造し、
・取得が困難な「有機JAS認定」まで受けることができた
……というところ😯
それを支えたのが、作り手の情熱です。
ハンパないロマン。
ちょっとだけカッコよく表現するならば、
「ドラマチックすぎるお茶」
と呼べるのかもしれません。
「究極の一杯」の衝撃
島原茶=かなり希少なお茶、ということはわかりました!
気になるのは、
その味
ですよね?
せっかく島原茶をいただくなら、お茶のプロに淹れてほしい!
……というわけで図々しくも島原茶の伝道師こと阿部さんにお願いし、お茶をいただいてまいりました!
いや、これもう出汁だろ
目指すのは「究極の一杯」と語る阿部さん。飲む前から、その味に期待が膨らみます!
はい、きました。お茶のよかニオイ〜!
アップで見せましょか?
いただきます。
…
……
………
え、なにこれ。ウマ〜〜〜。
なんというか、苦味とか渋みがほぼ無く、文字通り「ウマい」。
ただただ、「旨味」が凝縮されてる感じ。
え、なにこれ。お茶?お茶よね?
極端な言い方をすれば、スープや味噌汁みたいな感覚です。
お茶を飲んで、「旨味」を感じたのは人生初でした。
🍵島原茶の伝道師:阿部さんのお茶講座🍵
「旨いお茶」の淹れ方には、ちょっとしたコツがあります。
- その1:沸騰直後のお湯を使うと「雑味」まで出てしまうので、70℃くらいの少しぬるめのお湯を使う。
- その2:2煎目以降のため、なるべく急須にお湯は残さない
島原茶は2煎目以降も美味しいお茶です。少しずつ変化していく味を楽しんでください。
新体験!お茶に“ポン酢”
「ウマいお茶ごちそうさまでした……」と言いたいところですが、極めつけが待っておりました。
ポン酢をかけて、お茶を「食べる」。
え?まじ?
さすがにコレは……と思いつつ、いただいてみます。
…
……
………
合う〜〜〜。
お茶の渋みにポン酢の爽やかさ&旨さが合う!!
なんやこれ……。すげえ。ちょっとだけ大人の階段をのぼったような感覚。
島原茶は有機無農薬で育てられているので、お茶の葉を食べても安心安全。
〆の逸品としても秀逸でございました。
4月下旬に「新茶」が収穫されます!
今回は島原茶がまぼろしと呼ばれる理由、そして気になるその味に迫ってみました。
知れば知るほど奥が深いお茶の世界ですが、楽しみ方はひとそれぞれ。
家族、友人、恋人、ちょっと贅沢な一人時間に……。「島原ならではのお茶」を味わってみてはいかがでしょうか?
そして最後に、新茶についての注目情報です!!!
茶の木にとって過酷な環境である冬を乗り越えて暖かな春を迎え、今年も4月下旬においしい「新茶」が収穫されます。
日本全国へ「究極の一杯」をご提供できるよう、一生懸命顔晴ります。